はじめに
株式投資は時間とお金を賢明に使うための素晴らしい方法です。
しかし、初心者にとっては分かりにくい部分もあり、不安に感じる人も多いでしょう。
そこで、本記事では「ズボラ株投資」という考え方を紹介します。
これは、自分に合った投資スタイルを見つけ、無理なく着実に資産を築いていく方法です。
時間とお金の節約にもなるので、ズボラな人にもピッタリです。
ズボラ投資家に向いている理由
ズボラな人は、投資に向いている面も多くあります。その理由を3つの観点から説明します。
冷静な判断力
ズボラな人は、相場の変動に一喜一憂しがちではありません。
あくまでも自分のペースでゆっくりと投資を続けるため、冷静な判断力が身に付きやすいのです。
売買のタイミングを見極められるようになり、無駄な取引を避けられます。
一方で、熱心すぎる投資家は、値動きの大きな銘柄に夢中になりがちです。
結果として損失を被ることもあるでしょう。
ズボラな人は、そうした過剰なリスクを回避できるメリットがあります。
コスト意識
ズボラな人は、手間やコストを最小限に抑えたがります。
投資においても、無駄な売買手数料を払わずに済むよう、長期保有を心がけるでしょう。
この姿勢が、結果としてコストを抑えることにつながります。
例えば、投資信託なら一定の手数料で済むため、ズボラでも続けやすいです。
一方、個別銘柄の売買では、たびたび手数料がかかってしまいます。
ズボラな人はそうしたコストに敏感なので、賢明な選択ができるはずです。
我慢強さ
ズボラな人は、物事に熱中しすぎず、落ち着いた判断ができる傾向があります。
投資に置き換えると、一時的な値動きに振り回されずに済むでしょう。
損切りのタイミングを冷静に判断できるため、大損を避けられる可能性が高くなります。
また、長期的に見れば、株式市場は基本的に上昇基調にあります。
それを理解していれば、一喜一憂する必要はありません。
大きな見通しを持ちつつ、じっくりと投資を続けられるのがズボラな人の長所だと言えるでしょう。
おすすめの投資スタイル
ズボラな人に合った投資スタイルをいくつか紹介します。
自分に合ったスタイルを見つけて、無理なく続けていきましょう。
インデックス投資
インデックス投資は、ズボラ投資家に最適な手法の一つです。
国内外の株式や債券の指数に連動する投資信託に分散して投資するスタイルで、実質的に長期的な市場の上昇に預けることになります。
これなら、個別銘柄の選定や売買のタイミングを気にする必要がありません。
定期的に一定額を追加投資するだけで、手間もコストもかかりません。
リスク分散も図れるため、比較的安全です。
長所 | 短所 |
---|---|
|
|
つみたてNISA
つみたてNISAは、インデックス投資に適した制度です。
毎月一定額を投資信託に投資することで、長期的に複利の効果を最大限に活かせます。
投資対象もグローバルに分散できるため、ズボラでも安心して続けられます。
特に若年層には有利で、20歳代で始めれば40年後には1,000万円を超える資産になると試算されています。
ただし、投資初心者には少々難しい部分もあるかもしれません。
まずは小額からでも始めてみるのがおすすめです。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、人工知能(AI)がポートフォリオの構築や運用を行ってくれるサービスです。
投資目的や投資可能額を入力するだけで、自動的に最適なポートフォリオが組まれます。
運用はAIが行うため、投資家は気にせずに済みます。
ただし、手数料が比較的高額なのが難点です。
長期投資にフォーカスしたい人におすすめです。
リスク管理の重要性
ズボラ投資を行う上で重要になるのが、リスク管理です。
適切なリスク管理ができていないと、一時の大損失に見舞われる可能性があります。
安全に資産を守りながら、着実に増やしていくためのポイントを確認しましょう。
分散投資
「卵を一つのカゴに盛るな」という言葉があるように、投資においても資産を分散することが重要です。
一つの銘柄や市場に集中させずに、国内外、株式や債券、さまざまな資産に投資を行うことで、リスクを最小限に抑えられます。
分散投資を実践するには、インデックス投資が手軽です。
一つの投資信託に組み入れられている銘柄は数百~数千と多岐にわたっているため、自然と分散投資につながります。
長期的な視点
株式投資においては、一時的な値動きに振り回されないよう、長期的な視点を持つことが大切です。
短期的に見れば下落することもありますが、長期的に見れば市場は上昇基調にあります。
例えば、リーマンショック時に投資していた人は、その後の株価上昇に預かれば最終的には利益を得られたはずです。
目先の損益に惑わされずに、我慢強く保有し続ける姿勢が肝心なのです。
リバランス
資産の割合がずれてくると、分散投資の効果が薄れてしまいます。
そこで、定期的にポートフォリオのリバランスを行い、最適な割合に調整することが推奨されます。
リバランスは年に1回程度行えば十分です。投資信託なら、売買手数料がかからないため、気軽にリバランスできるでしょう。
ズボラに向かない投資手法
一方で、ズボラな人には向かない投資手法もあります。
手間がかかり、ストレスの多い手法は避けた方がよいでしょう。
デイトレード
デイトレードは、一日の間に売買を繰り返して、短期的な値動きから利益を得る手法です。
相場の動きを常に監視し、タイミングを逃さないよう神経を使う必要があります。
ズボラな人には向いていません。ストレスがかかりすぎてしまうからです。また、手数料の負担も大きくなってしまいます。
デイトレードは、熟練の投資家が行う高リスク・高リターンの手法なので、ズボラ投資家は避けた方がよいでしょう。
個別銘柄の売買
個別の企業の株式を売買することも、ズボラにはおすすめできません。
個別銘柄の選定やタイミングを見極めるのは難しく、手間もかかります。
企業分析に長けていないと、失敗する可能性も高くなります。
個別銘柄の売買はある程度の知識と経験が必要ですので、初心者にはハードルが高すぎるといえます。
ズボラでも無理のない範囲で分散投資を行うべきでしょう。
まとめ
本記事では、ズボラでも続けやすい投資スタイルについて解説してきました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- ズボラな人は、冷静な判断力とコスト意識があり、投資に向いている面もある
- インデックス投資やつみたてNISA、ロボアドバイザーなどが、ズボラに向いた投資手法
- リスク管理としては分散投資、長期的な視点、定期的なリバランスが重要
- デイトレードや個別銘柄の売買は、ズボラには向かない手間とストレスの多い手法
自分に合った無理のないスタイルを見つけ、じっくりと着実に資産を築いていけば、ズボラでも十分に投資は可能です。
焦らずに地道に続けることが、最終的な成功への近道になるはずです。